Q:弁護士は証拠集めもしてくれる?

結論:ほとんどの場合,証拠集めは依頼者ご自身がすることです。

 

 

弁護士は,依頼者から持ち込まれた証拠に基づいて,依頼者の主張する事実の正しさを裁判等で争うのが仕事です。

そのため,集めるべき証拠の種類や内容を依頼者に教えること,証拠を集めるための具体的方法のアドバイス,依頼者の集めた証拠の取捨選択や裁判で提出するための一定の加工などは,依頼を受けた弁護士がします。

 

しかし,個々の証拠集めそのものは,ほとんどの場合,依頼者ご自身で行っていただくことになります。

ただし,裁判や法律上の手続に則った一定の証拠作りや証拠集めだけは,最初から弁護士が行うこともあります。

 

たとえば,配偶者が浮気しているという相談に対して,浮気の証拠の掴み方や,裁判でどんな証拠をどうやって提出するとどのくらい有利になるか,今ある証拠だけだとどういう判決が予想されるかといったことは,弁護士が教えます。

そういうことを詳しく具体的にアドバイスできる弁護士は,良い弁護士です。

 

また,相談者が自分で集めた写真や証人などの証拠があるとして,どれをどうやって使うかは弁護士の腕の見せ所になります。

 

しかし,弁護士に対して,浮気の証拠を集めてくれとか写真を撮って来てくれと言っても,それは無理です。

弁護士は,探偵ではないからです。

 

確かに,弁護士にしかできない法律上の手続で不倫相手の電話番号から住所を特定するといったことはありますが,そういった種類の証拠集めは,むしろ例外的です。

そもそも,誰だか分からない不倫相手の住所を特定しろと言っても,弁護士には不可能です。

 

弁護士に期待できること(期待すべきこと)が何かをよく理解したうえで,相談の際にその弁護士がどういう部分を詳しくアドバイスしてくれているかを良く聞いて,弁護士の良し悪しを冷静に判断してください。