ベテランと若手、どっちがいい?

弁護士を年齢だけで選ぶことは、おすすめしません。

それでも、一定の範囲に限れば、年齢も有効な情報のひとつにはなります。

 

まず、一般的に若すぎる弁護士を避ける傾向がありますが、若いからダメということは無いでしょう。若手はフットワークが軽いことが多く、知識も新鮮です。

問題は、経験が不足しているという推定が働くことですね。しかし、その推定が正しいかどうかは、ここをよく読んでおいてください。

旧司法試験と新司法試験(ロースクール経由)との違いという問題もあるのですが、ここでは深入りしません。

 

20代で弁護士になる人もそれなりにいますし、見た目は若くても実はそこそこの年齢でキャリアも十分ということだってあります。

実際、おおよそ5年も弁護士をやれば、あとは一人でやっていくだけの力はつくのが普通でしょう。2、3年でその域に達する優秀な人もいるでしょうし、10年かかっても雇われ弁護士気質が抜けない残念な人もいます。

 

次に、どちらかというとベテランを重宝する傾向がありますが、あまりに年寄り過ぎる弁護士だと、それはもうダメということもあります。

ある程度の経験はあったほうがいいのですが、経験を積みすぎると、経験に頼って新しい知識を学ばなくなります。まして、いろいろな肩書きがついて偉くなり、顧問先も多数抱えるようになると、弁護士本来の仕事をあまり自分でやらなくなりますので、その場合、腕が落ちます。部下を使うのはうまくなるかもしれません。いくつになってもずっと現役でバリバリの人もいますが。

個人差が非常に大きいので正確なことは言いにくいですが、おおよそ弁護士を30年以上もやれば、少しずつ能力が落ち始めているのが普通ではないでしょうか。40年以上も弁護士をやっていれば、ガクンと落ちていても、おかしくないと思います。

ただし、あくまでも人によります。実際、私が心からすごいなと思う現役弁護士の多くが、ここでいう大ベテランの部類に入る方々ですから。

常識の通用しない人たちもいるのです。それは若手も同じで、若くてもすごい人はいます。

 

 

それと、ある程度の年齢になってから弁護士になった人や、裁判官・検察官を辞めて弁護士になった人などもいますので、一見ベテランでも実は初心者ということがあります。注意してください。

年齢そのものではなく、あくまでも弁護士としての経験値を考慮するべきです。

 

はっきり言って避けるべきなのは、非常に高齢の弁護士が事務局もなしで一人で細々とやっている事務所と、研修を終えていきなり独立した新人及び新人だけが集まった事務所です。検察官や裁判官を辞めて弁護士になったばかりの人も、ここで言う新人と同じです。私が依頼者なら、絶対に嫌ですね。

 

あー、また本当のこと言っちゃった。