相談室などの設備をチェックする。
安心して長時間の相談をするためには、個室でゆっくり話せる空間が必要です。
個人事務所や小さな事務所だと、専用の相談室がなかったり、あってもパーテーションで区切られているだけで個室になっていなかったりします。というより、きちんとした壁で隔てられた個室で相談できる法律事務所は、むしろ少ないのが実情です。事務所の設備にそこまでの費用を掛けていないのが普通だからです。
待っている次の相談者に話を聞かれるかも?なんて思ったら、安心して相談なんてできませんよね。そう考えると、規模の大小にかかわらず、相談室が個室だとか、まして防音壁だといったところに配慮している事務所がもしあれば、経営弁護士がきちんと依頼者のことを考えて、普通ではない先行投資をしているかなりの優良事務所だと言えます。探してみると分かりますが、めったにないですよ。
最近は、自宅を法律事務所として登録しておいて、打ち合わせや相談は弁護士会や裁判所、ファミレスなどを使う弁護士もいます。
費用対効果でどうしてもということもあるでしょうが、一般的には、おすすめのしようがありません。
そのほか、専用の駐車場があるか、小さなお子さんのいる依頼者のためのキッズルームがあるか、バリアフリーに配慮されているかなども、希望に応じてチェックしてみるといいでしょう。
ただ、こうしたことは弁護士の実力と対応する条件ではないので、よほど必要性が高くない限り、後回しに考えることをおすすめします。
また、当事者が複数になるような訴訟に対応してもらいたいのであれば、そこそこの会議室も必要でしょうね。
事務所の相談室の大きさは、扱う事件の大きさにある程度は比例します。やっと4,5人しか入れない相談スペースの事務所に、関係者多数の大きな事件を持ち込むのは、さすがにおすすめできません。
設備と同様に、事務員さんが何人いるのかもチェックしてください。
弁護士と事務員さんの人数費は、弁2(~3):事1~弁1:事2くらいの割合が通常の範囲です。
弁護士4人以上に対して事務員が一人以下の割合だと、一般的には事務員が少なすぎます。弁護士の仕事が少なくて、経費を掛けられない(必要な人件費まで節約している)状態だと考えられます。
それどころか、弁護士一人などの小さな法律事務所で、事務員さんが一人もおらず、全部弁護士が自分でやっているところがありますが、とてもじゃないですが、おすすめできません。
ホームページの記載でわからなくても、電話をかけたときにいつも弁護士が自分で電話を取って応対する場合や、電話秘書サービスに転送されている場合は、事務員がいないと推測できます。(ただし、事務員が一人だと、お昼休みや外回り中は弁護士が電話に出るということもありますので注意。)
逆に、事務員が弁護士の倍以上もいるような事務所も、おすすめしません。弁護士が事務員の業務内容を管理しきれていない可能性があり、場合によっては、事務員による非弁活動がなされているおそれもあります。
もちろん、設備にも人件費にも、それなりの経費がかかります。
ただ、一般的に言うと、設備のしっかりした事務所が、そうでない事務所より料金が高いとは限りません。逆もまた、しかり。
事務所がきれいだから高そうとか、小さい事務所だから安いだろうとか、あまり先入観で決めずに、きちんと見積もり額を聞いて比較したほうがよいでしょう。